2006.07.28 月光ゲーム―Yの悲劇’88 <<00:33
![]() | 「月光ゲーム―Yの悲劇’88」(有栖川 有栖) 有栖川有栖デビュー作にして学生アリス編一作目。学生アリス編と作家アリス編はパラレルになっていて、学生アリスが成長して作家アリスになったんではないというところがミソだと思う。 大学に入学したアリスが入った推理研は夏休みに山にキャンプに行く。そこで出会った他大学のサークルと仲良くなり皆でキャンプファイヤーなどを楽しむが、3日目の朝目覚めると中の1人が刺殺体で横たわっていた。書き置きを残して姿を消した女の子、休火山のはずの山の突然の噴火、山崩れで下山もできなくなったキャンプで、夜が開ける度にメンバーが減っていく。いわゆる「嵐の山荘」ものだけど、孤立の原因が火山の噴火ってのは初めて見た。派手だな〜(笑)登場人物の多さに閉口したって話はよく聞いていました。たしかにちょっと区別がつき辛かった。 内容については、言い方が悪くなるけど、著者が最重要視しているのが「犯人当て=誰ならそれが可能だったか」で、人物描写や動機ははじめからそんなに大事なことだと思ってなさそう。そこにちょっと引っかかりました。ロジックは収斂していくけど、物語としてのカタルシスはちょっと弱いと思う。あと全体的に文体がこなれてないというか、ざわついていて、有栖川有栖の最近の作品から読んだ人は違和感を感じるかもしれない。 |
